神戸王子動物園のアジアゾウ、雄のマックが6月13日に29歳になりました。緊急事態宣言発令で4月25日から6月20日まで動物園が休園だったので、マックの誕生日を祝うことができませんでした。
(2021年7月1日)マックは日本最大級の雄のアジアゾウと言われています。大きすぎて、体重や身長を測定できません。立派な牙は伸び続けていきます。太くて長くて重いいと思います。
(2021年6月27日 おやつを食べているところ)
背が高くて足が長く、小顔のマックはかっこよく、とても人気があります。可愛い声、キューキューとよく鳴きます。

マックは1992年6月13日にスイスで生まれ、1995年3月に神戸王子動物園に来園しました。2歳9か月の時です。マックが来園した年の写真が資料館に展示(王子動物園70周年記念)されています。お顔は隠れていますが、嬉しい写真です。この頃、マックは尻尾に毛がありました。
(2021年6月26日)マックは来園した当時は直接飼育で飼育員さんたちに触れてもらうことができたのですが、成長とともに発情、ムスト(ホルモン値が高まり危険になる状態)の時期がきて、興奮して危ないということもあり、間接飼育に移行されました。

(
王子動物園の機関紙 はばたき54号 2004年4月より)
間接飼育に変わって寂しそうだったマック、ハズバンダリートレーニングで落ち着いてきたそうです。
(2021年6月26日)トレーニングの様子、柵越しに指示に従うマックです。

トレーニングの説明がマックのお部屋の前に掲示されています。

トレーニングの時につかうおやつ、食パン、バナナです。
トレーニング(2021年7月1日)前足、後足の順番でオリーブオイルをぬってもらいます。14時半からの始まります。トレーニングをしている間におやつが運動場に運ばれます。
健康チェック(2020年6月4日)
午前中11時半からは健康チェック、足を洗ってもらい、爪を剥がすクリームをぬってもらいます。この間にお昼ごはんが運動場に運ばれます。
(2021年6月27日)マックがお水を飲んでいるところです。運動場はふたつに分かれていて、マックがいる北側は水飲み場があります。壁にパネルのスイッチがついていて、そこを押すと水がでるようになっているのですが、マックはこのパネルを押すことができません。飼育員さんが時間をみてお水を出しにきておられます。
タイヤとお水(2021年6月26日)タイヤ遊びが終わった時にお水がでました。マックが飲みに行きました。
(2021年6月26日)マックがタイヤで遊んでいるところです。毎日何度かタイヤを持ったり、お部屋に帰る前にタイヤを回すことが多いです。10トン車両用のタイヤとのことで、大きくて重そうです。
寝室に戻ったところ(2021年6月26日)16時をめどにマックは寝室に戻ります。ごはんが色々とセットされています。以前は飼育員さんが迎えて、野菜果物を置く間にマックにお座りをさせていたのですが、昨年マックが足を痛めてから、全部セットしてからマックが部屋に入るように変わりました。
----------------
マックはチューリッヒ近郊のラッパースビルのKnies Kinderzooの出身です。
(2017年10月28日)Knies Kinderzooは1920年から2015年まで、95年間サーカスを興行し、数々のゾウと共に働いていました。マックが舞台に立ったかどうかは定かではありませんが、しっかりと躾けをされていたのだというのはマックを見ていると分かります。マックは7歳上の姉、
Lohimiがいましたが、3歳の時にヘルペスで亡くなっています。Lohimiの公開されている
写真のリンクです。
(Knies Kinderzoo 2017年10月28日)マックの妹と姪に会いたい、実家を見たいと訪れました。お母さん Claudyさん、異父妹 Sandry、姪のKalaya のポスターです。お母さんのClaudyは前年2016年11月に亡くなっていました。
(Knies Kinderzoo 2017年10月28日)Sandry(1999年生)とその娘 Kalaya(2013年生)です。Kalayaはマックの息子、結希と同じ年生まれで、先日7歳になりました。
ClaudyとSandryは2009年にベルギー、Parc Paradisio(現 Pairi Daiza)に滞在していました。ここでSandryは若いPo Chinと出会い、Kalayaが生まれました。このPo Chinは Pairi Daizaで活躍中で Ta Wan, Malee, Luna, Sayunの父親になっています。
Kalayaの異母兄弟がPairi Daizaで会った子供たちだったとは、うれしい驚きでした。
(2017年10月30日 チューリッヒ動物園のポストカード)マックのお父さん、チューリッヒ動物園にいたMaxiは12頭の子どもを作りました。チューリッヒ動物園にはChandra, Farha,Omyshaの3頭の娘たちがいます。Farhaは娘、Ruwaniを育てています。他の生存している子供達は他の園に移動しています。2020年2月、50歳でMaxiは亡くなりました。
(2017年10月30日 チューリッヒ動物園)チューリッヒ動物園のゾウ舎はタイの環境が再現され、あちこちに工夫をこらした建物でした。
スイスにマックの妹たち家族が元気に暮らしています。
----------------------------------
(2021年4月2日)マックはパートナーのズゼが大好きで、大変相性もよく4人の子供ができました。残念ながら3頭は亡くなりましたが、4番目の結希が市原ぞうの国で元気に育っています。
(2021年6月23日)市原ぞうの国の結希です。足が長くてお顔が小さくて、マックによく似ています。

29歳、おめでとう!マック。 お祝いが遅くなってごめんね。マック、ずっと元気でいてね。
雄ゾウの飼育する園は少なく、マックが神戸にいること、とても感謝しています。王子動物園はリニューアルを行う予定です。大きなマック、ズゼが健康でより幸せに暮らせる環境になりますようにと、心から願っています。