先日久しぶりに映画を観に行きました。ケネス・ブラナー監督の「ベルファスト」です。NHKの番組でこの作品について紹介していたのを見て、ブラナー監督ならぜひ観たいと思いました。
タイトルの通り北アイルランドのベルファストが舞台で、1969年8月15日に起こった暴動、プロテスタントの武装集団がカトリック住民への攻撃から話が始まりました。主人公の9歳の少年バディは家族と友達に囲まれて、勉強も遊びも楽しむ充実した毎日を過ごしていました。が、この日を境にベルファストの街は分断され、暴力と隣あわせの生活になり、父親の借金もあり、ベルファストを離れるかどうか迫られていきます。ケネス・ブラナー監督が自身の幼少期の体験を投影して描いた自伝的な作品です。
映画.comの作品紹介にケネスブラナー監督のインタビューが掲載されています。https://eiga.com/movie/96109/interview/
なるほどなと思いました。インタビューの最後の部分です。
「イギリスに引っ越してから、僕は孤独な少年となった。親戚からも引き離されて、もう消えてしまいたいと思っていた。目立ちたくない、地味にしていようと。おかげでアイルランド訛りも2年もしたら消えてしまったよ。演技を始めてようやく、シアターカンパニーや映画の現場の仲間たちという新しい家族ができた。アイルランド人は外に出て行く人たちと呼ばれる。でも、出て行くことは犠牲を伴う。僕もしばらく自分を見失った時期があった。この映画を通じて、僕はようやく自分を再発見することができたのさ」。
映画を観ながらいろいろな思いが巡りました。世界の歴史を見ると争いの原因は宗教的なことが多いです。自分と違う考えを持つ人を排除する性質を利用し、権力者は宗教で地域を統率して確固たる地位を築いてきたのです。
人を攻撃する本能が人にはあり、何かうまくいかない時、辛い時は誰かのせい、何かのせいにして攻撃します。自分のまわりを見ても、世界で起こっていることを見てもそうです。私もそうなのだと思います。が、ネット上でも、言葉でも誹謗中傷を私は残さないように気をつけます。得にネットでの書き込みはIPアドレスをたどっていけば、誰が書いたものかわかります。
どうにもならないことを嘆き悲しみがちですが、優しく美しいものをみて気持ちを切り替えていきたいです。
ベルファストにもう一度訪れたいと願っています。ベルファストの動物園に2頭の高齢のゾウさんにもう一度会いたいです。どちらもベルファストに来るまではサーカスで働いていたり、ゾウの仲間からいじめをうけて辛い日々を過ごしました。ベルファスト動物園の素晴らしい環境とケアで、ふたりとも健康に楽しく過ごしています。
2022年04月02日
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