ドームの建物を囲む放飼場の奥、細長いエリアがアフリカゾウの放飼場です。
朝9時すぎ、まだ日が充分に昇っていなくて、ゾウの放飼病はグレイで寂しい印象でした。奥に一頭のアフリカゾウが見えました。
雄ゾウのTemboです。
道に沿って放飼場は続き奥にゾウ舎があります。雌ゾウたちはその前にいたようです。
Tonga (37歳)と2頭の娘、Mongu(19歳)Ighwa(9歳)。Numbi(30歳)の4頭です。
10時前には雄ゾウ Temboも来ていました。Temboがくると鳴き声があがりましたが、その後Temboが奥に移動すると扉が閉まり、雌たちと分けられました。
【トレーニング前の様子: https://youtu.be/ZJFimddUmhA】
ゾウの紹介
Tembo、Tonga
Tembo (1985年 ジンバブエ生まれ) 37歳
1987にベルリン、2018年にドレスデン、2020にシェーンブルン動物園に移動してきました。7頭の子どもをもうけています。2022年12月にスロバキアのボイニツェ動物園に移動しました。
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Tonga(1985年 南アフリカ生まれ)37歳
1989年にベローナに来て、1998年にシェーンブルン動物園に移動してきました。Mongu(2003年) Ighwa(2013年)の2女を出産しました。
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Numbi、Mongu、Ighwa
Numbi(1992年 南アフリカ生まれ)30歳
1995年にドイツ Wuppertalに来園、2009年からシェーンブルン動物園で暮らしています。3子目のKibaliは人工授精で出産しましたが、Kibaliは2歳の誕生日前に亡くなりました。
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Mongu(2003年生まれ)19歳
父 Pambo 母 Tongaの間に生まれました。牙が細長く、体はお母さんのTongaぐらいです。
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Ighwa(2013年生まれ)9歳
初めての人工授精で生まれました。Tongaが母親。牙がまだ短く体も小さいです。
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Tonga(左)、Mongu(右)
Tongaがお水の飲んでいたら、娘のMonguがそばに来ました。Tongaは最年長で群れのリーダー、とても落ち着いています。目があったときの印象が強く残りました。
【水を飲んでいる動画:https://youtu.be/iwonZEVTaE4】
Tonga(奥)、Ighwa(手前)
おやつを食べているところです。
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Ighwa(左)、Numbi(中央)、Tonga(右)
Numbiは群れの中で血縁がありませんが、Tonga親子と良好な雰囲気でした。
Ighwa(左)、Numbi(右)
Numbiが耳を広げて、体の小さなIghwaと挨拶しているようでした。
Mongu(左)、Numbi(右)
Numbiは耳が切れているのが特徴です。2頭は挨拶していました。
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ゾウ舎の中は展示スペースがあり、ここでトレーニングが行われます。小学生の子供たちが見学に来ていました。
2階から見たところです。
土を置いているスペースもありました。
反対側に小さな部屋が並んであり、寝室のようです。奥に見えるのは雄のTembo、です。トレーニング後にここに入って干し草を食べていました。
10時になって、先にNumbiがゾウ舎に入ってきましたが、まっすぐ奥に進み手前の寝室に入りました。その後雄のTemboが入ってきてトレーニングが始まりました。
【2階から見た動画:https://youtu.be/OIrZJ2Q4y00】
37歳のTemboは立派な牙を持っています。間接飼育ですが、PCウォールはありません。柵とチェーン越しに行います。男性と女性の飼育員がいて、号令は男性、体を洗う係を女性がしていました。赤い球形がついた長い棒を使って号令をだします。最初に鼻水の採取をしていました。
後足を見せているところ
耳の裏を洗っているところ
伏せをしているところ
牙があるので、伏せをする位置が柵に並行(飼育員にあたらない)でした。
トレーニングが終わると移動して奥の寝室に入りました。
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Numbiが呼ばれて、牙とお鼻の間に干し草を挟んででてきました。今度は女性飼育員が号令を出し、男性が体を洗う係です。
【2階から見た動画:https://youtu.be/E4e4HvFRe_Q】
採尿しているところ
鼻水の採取、耳の後ろから採血をしました。Numbiが途中で💩を落としたので、横向きにさせて柄杓で尿を取りました。
後足のケア
水(お湯)で洗ってもらいます。Numbiは体にも水をたっぷりかけてもらいました。
頭をつけているところ
号令を出す方も低い体勢になっていました。
伏せをしているところ
飼育員さんと向きあって伏せをしていました。お口の中におやつを入れてもらいます。
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トレーニングが終わって外にでました。他の3頭のトレーニングが別室であったのかもしれませんが、雌たちは外にでておやつを食べていました。トレーニングの間にあちこちに餌がセットされたようです。そこに雄のTemboが小走りできました。小さなIghwaはTemboを避けていました。細長い広い放飼場は山際にあり、岩の色もアフリカゾウと似ています。太い柵があるところ、ないところがあり変化があり、柵で囲える区画がありました。
世界最古の動物園、シェーンブルン動物園のアフリカゾウたちに会えたことはとても嬉しく、放飼場とゾウ舎の施設を見れたことは勉強になりました。できれば一日中いてどのように過ごしているのか観察したかったですが、雄のTemboと雌のNumbiのトレーニングが見れて本当に幸運でした。雄のTemboは2カ月後にはスロバキアのボイニツェ動物園に移動になりました。(私達はこの2日後にはボイニツェ動物園を訪れて2頭のアフリカゾウに会いました)
シェーンブルンは雄ゾウがいなくなり、今後の繁殖は人工授精で行うのかなと思います。IghwaもKibali(2歳になる前に死亡)も人工授精で生まれました。みなに子どもができて、元気に育ってくれたらなと願います。そうなりますように。でもその前にTonga、Mongu、Ighwa、Numbiが健康で幸せに過ごしてくれることが一番、心から祈ります。