先週の土曜日に岡山県の高梁市成羽美術館に行きました。展示会 「ベルギーと日本―光をえがき、命をかたどる」が8月27日まで開催されています。

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6月24日に姫路文学館を訪れた時にこの展示会のチラシを持って帰っていました。「ぞうのエルマー」の資料とまじっていたのを見つけて、ぜひ行きたいと思いました。
ベルギーは私が初めて訪れたヨーロッパの国で、1996年8月19日にブリュッセルに着きました。(今気がつきましたが、美術館を訪れたのも8月19日でした。なんて偶然なんでしょうか。) ベルギーで仕事をされていた、西洋絵画に造詣の深い中村先生の引率での美術鑑賞をメインとした旅行でした。先生の影響もあり、その後もベルギーを訪れることが何度もありました。

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美術館の公式サイトより
戦前、絵画や彫刻を学ぶ数多の日本人留学生がフランス・パリに押し寄せていた中、数は少ないですが、留学先にベルギーを選んだ者たちがいました。画家の太田喜二郎(1883-1951)と児島虎次郎(1881-1929)、彫刻家の武石弘三郎(1877-1963)です。本展覧会では、この3人を中心に関連作家を加え、当時の印刷物による紹介や展示などにも着目し、約100点の作品と資料類から戦前の日本におけるベルギー美術受容の様相をご紹介します。

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高梁市成羽美術館は安藤忠雄氏の設計で1994年に建築されました。今年29年目です。兵庫県立美術館、姫路文学館も安藤氏の設計です。

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展示会のごあいさつ。
ベルギー印象派の絵がすぐ目に入りました。

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エミール・クラウス、「レイエ川の水飲み場」 1897年作

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太田喜二郎、「樹陰」 1911年作

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太田喜二郎、「乳屋の娘」 1911年作

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児島虎次郎 「和服を着たベルギーの夫人」 1909年作

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児島虎次郎 「和服を着たベルギーの少女」 1910年作

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児島虎次郎 「親牛仔牛」 1916年作

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ルネ・マグリット 「再開」 1965年

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彫刻の展示室

ベルギーを留学先に選んだ画家、彫刻家に影響を与えた作品、影響を与えられた作品を見せていただきました。
児島虎次郎氏は高梁市成羽町の出身で、日本を代表する印象派画家ということを初めて知りました。大原美術館のコレクション収集のために尽力をつくした、エル・グレコの「受胎告知」を手にいれた切れ者ということは知っていました。児島虎次郎氏の清楚で美しい作品を描かれた画家だと知り、嬉しかったです。
その他の作品も心に残っています。良い展示会に来ることができました。
ベルギーをまた訪れることができたようでした。27年前のことを思い出し懐かしく、いろいろなご縁に本当に感謝いたします。

ベルギーと日本―光をえがき、命をかたどる」は次は新潟に巡回します。

高梁市成羽美術館
岡山県高梁市成羽町下原1068-3
公式サイト