2023年08月31日

『マサテル』 水上勉(作)、 デーヴィド・マッキー(絵)

6月24日 姫路文学館で講演会「デビッド・マッキー 作品とそのひとがら」に参加しました。講師のきたむらさとしさんから様々なエピソード、マッキーさんの作品の紹介をしていただきました。中でも得に驚いたのが、日本人小説家の作品に外国人作家が絵を描く、コラボシリーズがあり、デビット・マッキーさんは水上勉先生とのコラボ作品、『マサテル』を描かれたということでした。

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水上先生の作品ならぜひ読んでみたい!と探しました。楽天ブックスで中古本を見つけることができました。
ロンドン在住だったマッキーさんは日本の軍服が見たい、とロンドンの博物館にきたむらさんと一緒に行かれたそうです。
物語を読んで納得しました。マサテルとは馬の名前でした。戦争のために働いていました。やがて終戦を迎え、マサテルを助けるため、マサテルと一緒に過ごすために飼い主は動きました。幸せな月日は訪れて過ぎていきました。

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読み終わると胸がいっぱいになりました。マッキーさんは日本の村や建物を想像して描くのは大変だったと思いますが、出過ぎた描写ではないのに絵に説得力があり、物語の内容がよく伝わってきました。良い作品に巡りあえたこと、とても嬉しく思います。

絵本ナビ、紹介 『マサテル』
出版社からの内容紹介
太平洋戦争の頃、北国の海辺の村にオス馬が生まれ、マサテルと名づけられました。当時、馬はトラックや乗用車の代りとして使われ、マサテルも都会のばんば隊にめされ働きはじめました。

ベストレビュー
軍馬として
水上勉の書いたもので、絵はイギリス人のデビッド・マッキーという異色な作品です。
軍馬として徴用された、馬のマサテルの生涯が淡々と語られています。
幸いにも戦地まで行くことはなかったけれど、馬も大変だったのだと思いました。
水上勉独特の語りを、マッキーが日本人であるかのように視覚化しています。
(ヒラP21さん 60代・パパ )


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日本人小説家の作品に外国人作家が絵を描く、コラボシリーズが背表紙の裏に書かれています。機会を作って読んでみたいです。

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posted by jirokayo at 21:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・雑誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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