(2022年10月13日、オストラバ動物園)
※オストラバ動物園を訪れたかった理由は少し長くなります。
2018年10月にオランダから大阪に帰る便で、映画を観ました。
【詳細:映画 「Zoo」☆ベルファスト動物園のゾウを救った物語】
第二次世界大戦の時、北アイルランド、ベルファスト動物園も政府の命令で猛獣たちは殺処分になりました。その時に飼育員さんが子ゾウを連れて帰りかくまって、子ゾウは殺処分を免れました。その事実をもとにこの映画『ZOO』が作られました。日本未公開の作品ですが、偶然にも飛行機の中で観てとても感動し、ベルファスト動物園に行ってみたいと思いました。
(2019年6月26日、ベルファスト動物園)
翌年2019年6月にベルファスト動物園を訪れることができました。
(2019年6月26日、ベルファスト動物園)
ここには2頭の年輩アジアゾウがいました。サーカスや動物園で働き、いじめ等の後遺症が残っているゾウさんたちでした。ベルファスト郊外の切り立った山の斜面にあり、海が見えて自然豊かな環境の動物園です。
(2019年6月26日、ベルファスト動物園)
ゾウさんたちの放飼場も広く、土が一杯あり、エンリッチメントも工夫されていました。若いゾウさんはいませんでしたが、幸せに過ごしている2頭のゾウさんに会えて、とても嬉しかったです。
北アイルランドの旅行から戻り、Twitterでベルファスト動物園をフォローし始めました。そこでベルファスト動物園で生まれた、アジアゾウが繁殖プログラムのためにチェコのオストラバに移動していたことを知ったのです。
(2022年10月13日、オストラバ動物園)
2008年4月、母Johti(Jody、1968年生まれ)と子Vishesh(1997年生まれ)が一緒にオストラバに移動しました。
ベルファスト動物園はヨーロッパの繁殖管理、EAZA(the European Association of Zoos and Aquaria )に加盟しています。
※EAZAに加盟している動物園のゾウの飼育、役割分担
@繁殖可能な雌ゾウのグループ、成熟した雄ゾウ
A若い雄ゾウのグループ
B年配雌ゾウのグループ
ベルファスト動物園はJohti(40歳)とVishesh(11歳)の若い親子を転出し、翌年2009年に年輩のゾウを3頭受け入れました。直接ゾウを誕生させることはなくても、ヨーロッパのアジアゾウの繁殖計画をベルファスト動物園も担っています。
いつかベルファスト生まれのゾウ、Visheshとその母Johtiに会いにチェコに行くことが私の目標、願いになりました。
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そうして2022年10月、コロナで海外旅行の日本への入国処置が緩和されてすぐに願いは叶いました。
オストラバ動物園はとても広いです。広く乗り物に乗りたかったのですが、行きは乗せていない、帰りに乗るように言われました。
長い道のりを歩いていきました。
飼育されている動物はたくさんいて、とても周りきれそうにありません。
が、ライオン、ヒョウ、カバは見ることができました。
ゾウ舎を探しました。
ゾウの絵がありました。
ここか!と建物の中に入りました。
全5頭がゾウ舎の中にいて、ごはん中でした。
ゾウ舎の中は3つに区切られています。
大きな部屋はロープで区切られていて、それぞれに2頭がいました。
ゾウの紹介です。
Johti(1968年生まれ)
Vishesh(1997年 ベルファスト生まれ)
Rashmi(2011年 オストラバ生まれ)
Chandru(2017年 オストラバ生まれ)
Maxim(1998年 ロッテルダム生まれ)
(2022年10月13日、左 娘Vishesh、右 母Johti)
北アイルランド、ベルファストからきた親子です!
母Johtiと娘Visheshはそれぞれの子どもと一緒でした。
こどもたちの父親はCalvin (Chanda) 、2009年5月にライプツィヒからオストラバに移動してきました。
Johtiは娘、Rashmiを2011年生まれ。Johtiは43歳で出産しました。
Johti
写真は2年前、54歳の時、若々しいです。
Rashmi
11歳の時、丸くふくよかです。
(VisheshとChandru)
1997年ベルファスト生まれのVisheshは息子、Chandru(2017年生まれ)と一緒にいました。
Visheshは2011年(Sethi)、2014年(Sumitra)を生みましたが、どちらもヘルペスウイルスで幼いうちに亡くなりました。
Vishesh
お母さんのJohtiと良く似ています。25歳の時です。
Chandru
5歳の時です。Visheshの3頭目の子どもです。上の2頭は亡くなりました。
Chandruの父親のCalvinは2015年10月に死亡していますので、ChandruはCalvinの忘れ形見になります。
区切られたところに、若い雄ゾウがいます。Maxim、1998年にロッテルダムで生まれました
Maxim
24歳の時です。お顔が大きくて迫力があります。
15時前後 5頭のアジアゾウがゾウ舎にいる様子です。
ガイドの邦子さんが飼育員さんに尋ねてくれました。
「ゾウさんは外に出ないのか?」「 15時に外に出るよ」
という事で、外にでて待っていました。
放飼場の見学するには上から見下ろすような構造になっています。まわりに草木がたくさんあり、ベンチもいくつもありました。
放飼場の前にある案内です。
オストラバ動物園の歴代のゾウの紹介です。
私は放飼場の見晴らしの場所でベンチに座って、お友達にメールをしました。JohtiとVishesh親子に会えたことが嬉しくてたまりませんでした。
そしてその間に雄ゾウのMaximとChandruが放飼場にでていました!全然気が付きませんでした。幸い夫が撮影してくれていましたが、夫がいることも気が付かない、草や木がいっぱいで座っていると見通しが良くありませんでした。
15時 2頭の雄のアジアゾウが放飼場にでてきました。
Maxim(1998年 ロッテルダム生まれ)
Chandru(2017年 オストラバ生まれ)
Maxim
Chandru
Chandruは今年7月で7歳になります。2か月前にオストラバ動物園のゾウ舎にコンテナがトレーラーで降ろされました。若い雄ゾウは群れからでて行く時期がきます。Chandruはコンテナに入る練習を繰り返してして、移動に備えます。
EAZAのアジアゾウの繁殖計画の概要を読みました。若い雄ゾウ(数頭)は成熟した雄ゾウ(一頭)と一緒に暮らします。そこで成熟した雄ゾウから色々学ぶそうです。
Chandru
オストラバ動物園もVisheshの3子目、可愛い雄ゾウ、Chandruを旅立たせる時がきました。
ベルファスト動物園から繁殖のために移動してきた親子は子孫を残し、繁殖に貢献しています。Chandruも後を繋いでいくでしょう。
どうかChandruの移動が無事に行われますように。
Johti
Vishesh、RashmiとMaximの繁殖が順調に進むこと、高齢になったJohtiがすっと元気でいてくれることも心から願います。
2022年10月の動物園を訪れたことを今ごろになって記事にして、遅すぎるのですが、次の旅行までにどうしてもまとめておきたいと思いました。次は雄ゾウばかりがいる動物園にも行く予定です。ヨーロッパ全体でアジアゾウの繁殖を管理しているところを実際に見たいと思います。
ラベル:#ゾウ