
王子動物園の入り口からすぐのところにゾウ舎はあります。朝は曇っていたのに、この時間はよく晴れていて、暑くなっていました。
南側、手前にいるのが雌のズゼです。シャワーがでる木の側、円形の傘でできる影の中にいました。

マックは北側にいます。運動場は柵で仕切られていて、マックとズゼの同居中の時は扉が開いて南北に行き来できます。
北側にはシェード、日除けがあり、大きなマックがぴったり入るような影ができて、その中にマックはいました。

11時になり、水飲み場の水がでました。タイマーで毎時0分、14時20分、15時40分にお水が5分間流れるよいうになっています。
マックがこちらを見ました。
11時のお水がでて、マックが水飲み場に来ました。32歳の誕生日、おめでとうと声をかけました。
動物園の常連の方々がマックのお祝いに来られていました。
11時半になると、寝室でマックの足のケアが始まるので、皆さんと一緒に見にいきました。
前足の外側の爪の部分にヤスリをかけて、水で洗い、消毒スプレーを爪の根本全体にしています。
ケアが終わって運動場に戻る時にすぐに出なかったので、バナナが投げられました。
11時半すぎ トレーニングが終わってマックが寝室からでてきて、お昼ごはんです。日除けの陰の中に枝、笹、干し草等セットされています。晴れて気温が上がってきていました。

マックが枝を食べるところです。

南側のズゼにもお昼が運ばれていました。写真はその前にシャワーを出したところです。

ズゼはマックより2つ年上、34歳ですが、丸くてかわいらしいゾウさんです。
マックとズゼがお昼中なので、私も動物園の外に食事に行きました。
13時前に戻ってきました。
13時のお水が出る10分ぐらい前から、マックは水飲み場前で待っていました。12時のお水はお昼ごはん中で、飲んでいませんでした。マックはまず右の顔方向に水をかけました。水を飲みながら、体に水を浴びています。

マックが体に水をかけているところです。

水浴びが終わったところ、体が結構濡れていました。

午後は静かな時間が流れました。ゾウの運動場の西側は木々があり、座るところもあって過ごしやすいです。

マックは柵の間からお鼻を伸ばして、ズゼが残した枝の葉々を取っていました。
14時半になると、マックは午後のトレーニングがあります。
オリーブオイルを爪まわりに塗って、関節と尻尾等にスプレーして保湿しています。前足が終わるとおやつで誘って移動させ、後足のケアになります。
14時半すぎ トレーニングが終わって、マックが寝室からでてきました。おやつセットが置かれていました。小さなペレットもたくさんまかれています。

マックは根気よくプチおやつを拾って食べます^^
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15時前、ズゼのトレーニングが終わってから、マックのお誕生日祝の用意が始まりました。
大きなお花も置かれました。

16時前、マックが寝室に戻る前に氷が運ばれました。『32』の文字が氷の中に描かれています。長方形の氷のプレートはジュースで固めてあるようです。

『32』の氷が割れてしまいました! 『3』『2』になりました。『マ』『ッ』『ク』と彫られたリンゴが飾られました!

小さく丸くくり抜いたスイカの玉とサトウキビジュースが氷の器に入りました! マックの大好きなバナナ、房付きが両サイドに。パイナップル。ゾウさんが描かれたスイカも来ました。
16時なって、先にズゼが寝室に戻りました。

次にマックがお部屋に入ってきました!

ラング(お鼻をあげる)をして、扉が閉じられ鍵がかかってからディナータイムです。
32歳の誕生日を迎えたマックはスペシャルディナーをいただきました。スイカ、パイナップル、氷の器にサトウキビジュースにスイカの玉が浮かんでいました。隣のズゼにもおすそ分けがあり、ズゼは一番にスイカを食べていました。マックは馴染みのものから取っていました。氷の器を引っ張って干し草の上にジュースをしみ込ませていました。
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先月 5月にヨーロッパ、4か国を訪れました。それぞれの国に目的はあったのですが、オランダとデンマークはマックの血縁、異母弟 Fahimとその子どもたちに会うことができました。
初めにオランダのロッテルダム、Blijdorp動物園に行きました。ヨーロッパ動物園・水族館協会(European Association of Zoos and Aquaria)EAZAでアジアゾウの繁殖管理を任されています。素晴らしい環境の動物園です。

Blijdorp動物園、Maxi(1歳7ヶ月)
Fahimの長男、マックの甥っ子になります。
(※マックのお父さんMaxi(2020年没)はチューリッヒ動物園にいて、お母さんClaudyさん(2016年没)が妊活のために、ラッパーズヒルのクニーズキンダー動物園からチューリッヒに来園していました。マックはラッパーズヒルで生まれたので、チューリッヒで暮らしたことはありません。)
2022年春にチューリッヒ動物園は不幸が続き Umesh(2歳)、Maxiの娘のOmysha(8歳)と孫のRuwani(5歳)がヘルペスウイルスのため亡くなりました。同年の10月にロッテルダムでMaxiの息子、Fahimに男の子が生まれ、おじいちゃんと同じ名Maxiをいただきました。
Fahimは2021年12月にデンマーク、コペンハーゲン動物園に移動しました。今年 2024年2月に娘が生まれました。2頭目の子どもです。

コペンハーゲン動物園、Chin(3か月)、お母さん Maha Kumariと
Fahimを探しますが、見つかりませんでした。女子たちとChinが放飼場にでてきて、しばらくしてからFahimが登場しました。

なんと、Fahim(2005年生まれ)はマックによく似ています!
長い牙がありません!これはカットされたものでなく、自然に短いのだと、女性スタッフに教えていただきました。「牙は短くても、彼は間違いなく立派な雄ゾウです!」

頭の大きさ、体の幅、お顔ももちろん、マックを思い出し感激でした。
FahimはIndiの息子、Chandraの弟、故Omyshaの兄、故Umeshの異父兄です。2017年にチューリッヒ動物園で購入したDVDは幼いころのFahimとFahra(Maxiの娘)の特集でした。立派に成長したFahimに会えて、とても嬉しかったです。
マックにはもう一頭、異母弟 Upali(1994年生まれ)がいて、現在はフランスで暮らしています。 Upaliも3歳の時にチューリッヒを離れて、何園かを移動して14頭の子どもが出来ましたが、生存しているのは約半数です。
ヨーロッパでは雄ゾウは群れから離れて暮らすことになります。以前は母親から3歳頃に離され、現在は見解が変わり7歳頃となっているそうです。
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1992年6月13日生まれのマック。2歳9か月で1995年3月、阪神淡路大震災の直後に神戸に来ました。約30年も王子動物園で暮らしています。弟たちとは違う道です。多くの雌との出会いはないですが、マックが大好きなズゼが側にいます。神戸で、日本でたくさんの方々から愛されて、これからも長く元気でいてくれることを日々祈っています。
32歳のお誕生日は素晴らしいご馳走を用意していただきました。ありがとうございました。
マック、おめでとうございます!これから末永くよろしくお願いします!