亡くなったChinを忍んで、今頃ですが、2024年5月20日に訪れたコペンハーゲン動物園をまとめたいと思います。
(ゾウ舎の入り口)
11時前に コペンハーゲン動物園に着きました。中央駅でバスのチケットを購入するのに時間がかかりましたが、動物園のチケットは少し並んで買えました。
フラミンゴ、ライオン、ホッキョクグマを見てから、ゾウのエリアへ行きました。ジャイアントパンダ舎と隣接しています。
動物園のマップ
簡単に見えますが、ゾウ舎と放飼場を行き来するには時間がかかる設計になっています。
Googleマップ
ゾウのエリアです。小判状の屋根2つを繋いでいる四角屋根があり、大きな放飼場が2つあります。
ゾウ舎の建物に入りました。広いエントランスに展示があります。
スロープ状の通路を下っていきました。
右側に部屋が見えました。たっぷり砂が入っていて、柵には小窓がついていて、ゾウの足や耳が出せるようになっています。明るい陽ざしがたくさん入っていました。冬は極端に日照時間が短くなるので、屋根に工夫をしているのだと思います。
砂のない部屋もあり、またその奥にも部屋が見えます。
スロープで階を降りました。折り返した右手に大きな部屋が見えました。砂の盛りがいつくつもあります。
砂部屋。寒い冬はお部屋でゆっくり過ごせそうです。
砂部屋の前を通って外に出ると、放飼場にでました。こちらはメインではなく、サブで使っているようです。
ゾウ舎をでてメインの放飼場に行くためには、サブの放飼場横を通ってレッサーパンダ、アムールヒョウの横を通って行くしかありません。
2023年、旭山動物園はコペンハーゲンから雄のアムールヒョウを迎えています。「デン」と名付けられました。
柵の緑のすき間から少し見えましたが、寝ていました。5月とは思えない暑さです。
長い道のり(大げさ)ですが、メイン放飼場に来ました。夫はこちらにいました。
しかし。。。長い道のりだったのに、一頭もゾウを見ていません! どういうことでしょうか。どこにゾウたちはいるのでしょう。6頭いるはずです。
飼育員さんたちが餌を持ってきました。
ひとり乗りのコンパクトな乗り物に乗っています。あちこちにおいていきます。
タイヤやゴムフィーダーにはクッキーのようなものが仕込まれました。
散水のチェックをしています。
2mの高さもないモートに藁がひかれていて、外側に電柵が張ってあります。このモートにゾウは落ちないのか?落ちても大丈夫なのか?と気になります。
が、もうゾウが出てくるだろうと座って待っていました。
出てきた! Chinが見えました! 母ゾウ Maha Kumariの左側について小走りです!お尻を向けて奥に向かっていきました。
放飼場のあちこちに餌がセットされた後、 Maha Kumari(17歳)とChin(3カ月)が一番に出てきました。その後(おそらく)群れのリーダー、Kungrao(26歳)が登場し、親子のSurin(26歳)、Mun(3歳)が続きました。
Kungraoがでてきたところ
Kungraoはすぐにクッキー?の入ったフィーダーへ行きました。
Maha KumarとChinもフィーダーのところにきました。
SurinとMunの親子も登場したところです。
3歳のMunはタイヤの中のおやつを一番に食べにいきました。
お母さんのSurinはやっぱりクッキー?フィーダーを揺らしました。娘のMunは池に急ぎます。
KungraoとChinも一緒に池に行き、Surinも後から合流してみんなでお水を飲んでいました。
Maha Kumariはマイペースで餌を探して動いていました。ChinがKungraoを慕っているので、KungraoがChinの母親だと錯覚していました。
雄ゾウの姿が見えません。マックの異母弟 Fahimに会いたいのに。。Fahimは牙がほぼないし、この中にいるのか? そういえばきりっとしているお顔(Maha Kumari)がいるけれど。。
が、見えました!大きなゾウが出てきました!
雌ゾウたちが放飼場にでてお昼ごはんをしているとき、雄ゾウ Fahim(神戸王子動物園のマックの異母弟)が出てきました。
Fahimは長い牙はないですが、マックによく似ています。体の幅、高さ、お顔とのバランスがマックを思わせました。
マックの弟に会うのは初めてなので、嬉しくて興奮しました。
Fahimはあちこち歩いて枝や草を見つけて食べました。6頭が揃ってお昼ごはんです。
池の向こうは動物園の敷地外です。「エレファント・ビュー・スポット」とグーグルマップに出ています。それが現地では分からず、私も池の向こうから見たい、行きたいと道を探していました><
Fahimはチューリッヒ動物園生まれです。故Maxiが父、Indiが母、Chandraが姉、故Omyhaが妹、故Umeshは異父弟です。
放飼場の隅でFahimと目が合いました。姉のChandraにも似ていました。
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◎コペンハーゲン動物園のゾウ6頭◎
・Kungrao(1998年生まれ)
・Surin(1998年生まれ)
・Maha Kumari(2007年5月9日生まれ)
・Fahim(2005年7月24日生まれ)
・Mun(2020年10月1日生まれ)
・Chin(2024年2月19日生まれ)
6頭がお昼ごはん中に英語ガイドが行われました。(11分40秒からです)
・アジアゾウの特徴、健康管理のためのトレーニング、得に爪のお手入れは大切。
・6頭のゾウの紹介。生後3カ月のChinは体重が200kg。まだ賢さより好奇心が旺盛、両親 FahimとMaha Kumariの強い気質を受け継いでいる。3歳半のMunの母、Surinは大人しくて人間と接触に控え目。
12時からゾウのガイドが始まりました。コペンハーゲンは国際都市です。英語で話されました。
たくさんのお客さんが生後3ケ月のChinを見ていました。母Maha Kumariと一緒にお水を飲んでいました。
ガイドが終わり、質問があれば遠慮なくということだったので、Fahimの牙のことを尋ねました。動物園で切られたのではなく、Fahimは自然と牙が伸びなかったのだと教えていただきました。
「牙はなくても、彼は立派な雄ゾウです!」と言われました。
Chinの母はMaha Kumariですが、Chinは最年長(たぶん群れのリーダー)のKungraoの後をついてまわっていました。
Kungraoは2頭の仔をヘルペスウイルスで亡くしました。今は仔がいませんが、MunにもChinにも慕われています。
MunとChinは3歳違いです。
2023年、Munはヘルペスウイルスを発症しましたが、助かりました。
お昼ごはん、お水飲みも済んで落ち着いたころ、Kungraoが砂部屋に入っていきました。ほかの雌ゾウたちも後についていくようです。慌てて砂部屋の方を見にいきましたが、人の入り口は放飼場から遠くにあります。大きな部屋に驚くほどの土が置かれています。土を体になすりつけるようにChinは動いていました。
Surin、Mun親子が授乳中の側でChinがごろごろすると、、煩わしいのかSurinがChinをはらいました。Fahimも後から入ってきました。
みんなで砂を浴びていました。
Kungraoの次にMunが砂部屋からでてきました。Surinがでて、間もなく Maha KumariとChin、Fahimもでてきました。陽射しが強くからっとしていますが、夏のような暑さでした。
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ゾウから離れて、動物園を周りました。15時40分ごろに戻りました。
6頭のゾウがそれぞれに動いていて、3歳半のMunは砂部屋に入っていきました。8分10秒〜 Chinが父親Fahimのそばに寄っていき、2頭がコミュニケーションを取っていました。
Fahim(マックの異母弟)はChinが2番目の仔です。
初めての仔はロッテルダム(Diergaarde Blijdorp) にいるMaxi(2022年10月9日生まれ)です。チューリッヒにいた祖父Maxi(マックのお父さん)と同じ名前です。
Munは放飼場の凹みのあるところで後足を淵から出していました。雌たちが奥に集まっていったとき、Fahimが砂部屋からでてきました。KungraoがFahimのところへ向かうとみんなもついて来て、Fahimを囲みました。
みながFahimのところに集まりました。
16時半前 ChinはKungraoと母Maha Kumariの間で寝ていました。動かないので大丈夫か?と心配して見ていたのですが、影をつくっていたKungraoが砂部屋に向かうと、Maha KumariがChinを起こしました。Chinは起き上がって、砂部屋に向かいました。
日が長い北欧の5月ですが、そろそろ寝室に戻る時間だったのでしょうか。
(Maha Kumariの一番目の仔Jung Bul Kneは今ハンガリーの Veszprém動物園で、ズゼの異母弟 Thuyaと一緒に暮らしています。 この旅行の後半に会うことになりました。)
起こされたときのChinです。
気になってずっと見ていました。
雌ゾウ5頭がお部屋に入っていき、Fahimは放飼場にひとりになりました。大きな丸太がお腹の下にあり、体をこすっていました。
お腹を擦ってストレッチしているようでした。
Fahimのお顔を最後に見て、満足して帰ることにしました。
ショップで買い物をして動物園を出ると17時でした。空が青々として澄み眩しかったです。
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◎コペンハーゲン動物園の公式サイトより
・https://www.zoo.dk/nyheder/elefantunge-behandles-for-virus
2024年9月26日 小ゾウウイルス感染、治療中
・https://www.zoo.dk/nyheder/elefantunge-doed-af-virus
2025年9月30日 小ゾウウイルス感染で死亡
Chinは対ヘルペスウイルスワクチンを3度摂取して、その経過観察、採血結果はワクチン配布先(ロッテルダム)に送付されています。研究はまだ続きます。亡くなったChinが次のゾウの死を避けることが出来るかもしれません。
(授乳中のMaha KumariとChin)
歯をかみしめています。Chinが生まれたから、15年ぶりにデンマークに行くことを決めました。動物園以外にも貴重な出来事がありました。嬉しかったです。Chinに会えて、Fahimに会えて。今動画、写真を見返して思うことは、コペンハーゲン動物園を訪れることができて本当に良かった、幸せであるということです。
元気いっぱい好奇心いっぱいに生きた1年7ヶ月、Chin、ありがとう。どうぞ安らかに。。コペンハーゲンのゾウさんたち、心からありがとう。

