ゴッホを描いた映画を観ました。
「永遠の門 ゴッホが見た未来」原題:At Eternity's Gate、2018年に制作で、日本では11月8日に封切られました。翌日の夕方に尼崎のMOVIXに行きました。
以前のように映画館に行かなくなったのですが、この映画は見逃したくなかったです。個性的俳優ウィレム・デフォーがどのようなゴッホを見せてくれるのか、ずっと楽しみにしていました。映画はパリから始まり、間もなくゴッホが南仏アルルに向かいます。隙間風が吹き抜けるような寒い部屋に戻ってくるゴッホ。暖かい南フランスではないのかと疑いますが、南東部に吹く地方風ミストラルでした。
アルルの街を描くゴッホ酒屋の女主人、ジヌー夫人(エマニュエル・セニエ)に相談してボロ住まいから、絵が描ける部屋に引っ越しをしました。ジヌー夫人はゴッホに優しく協力的でしたが、地元の人たちとはコミュニケーションがうまく取れず、時にトラブルになりました。
木の根を描くゴッホアルルに来ることをゴッホから懇願されていた、ゴーギャン(オスカー・アイザック)。南フランスより遠い島に行きたかったのもあり、アルル行きは気が進みませんでした。兄の精神状態を心配した弟テオ(ルパート・フレンド)は、ゴーギャンに仕送りするからとアルル行きを頼みます。
ゴーギャンとジヌー夫人ゴッホとゴーギャンの手法も考えも違うので、2人の共同生活は徐々に亀裂が入っていきました。それでもゴーギャンにいて欲しかったゴッホはゴーギャンがアルルを発つときに、自分の耳を切って、娼婦にゴーギャンに渡してもらうように頼みました。それでゴッホはサン=レミの精神病院に入れられてしまいます。
話はゴッホの終焉の地、オーヴェル=シュル=オワーズまで描いています。ガッシェ医師(マチュー・アマルリック)を描いているゴッホのシーンは印象的でした。
美しく陽がさす南フランス、ゴッホが自然からエネルギーを吸収する姿、そして吐き出すかのように描く姿、気持ち良かったです。部屋で花瓶の花を描いているゴッホ時に、「なぜ描くの? あんたの絵より本物の花がきれいなのに」と女中に言われます。「花は枯れるもの。でも、僕の絵はずっと残る」とゴッホは応えます。
サン=レミの精神病院で聖職者(マッツ・ミケルセン)がゴッホに面接をするシーンは感動的でした。ふたりのアップが続き、一言一言に重み、意味がありました。「この絵で、君は画家と言えるのか?」「生きる時が違った。未来だったら」という内容な言葉を感じました。
監督はジュリアン・シュナーベルは「必ずしも史実に沿ったストーリーにはなっていない。これは私なりのゴッホ解釈だ」と言われたそうです。
巧なカメラワークで、ドキュメンタリータッチのシーンあり、ゴッホが見ている景色は映像に手が加わり、画面下部分に光でぼやけているようになっていました。少し観難いですが、ゴッホが感じたものが伝ってくるようでした。好きな作品です。また映画館で観たいです。
永遠の門 ゴッホが見た未来の公式サイト
posted by jirokayo at 12:25|
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