10月19日 シンフォニーホールで開催された、福間洸太朗さんのピアノリサイタル「ーストーリーズー」に行きました。日本デビュー20周年を記念したリサイタルです。
福間洸太朗 ピアノ・リサイタル ーストーリーズー
【プログラム】
ショパン:ポロネーズ 第6番 変イ長調 op.53 『英雄』
ショパン:ソナタ 第2番 変ロ短調 op.35 『葬送』
ショパン:ポロネーズ 第7番 変イ長調 op.61 『幻想』
ワーグナー:楽劇『トリスタンとイゾルデ』より前奏曲(福間編)、イゾルデの愛の死(リスト編)
ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲(ボルヴィック編)
スメタナ:「わが祖国」より『モルダウ』(福間編)
◎アンコール◎
グノー:アヴェ・マリア(フレミンクス編)
徳山 美奈子:序の舞
シューマン:ノベレッテ 第1番 op.21福間さんの演奏を初めて聴いたのは2013年 神戸で、モスクワフィルとショパンのピアノ協奏曲第一番を共演された時です。
それ以来タイミングが合えば福間さんのリサイタルに行き演奏を聴いてきました。パリ国立高等音楽院を卒業、ヨーロッパを基盤に活動されていて5か国語に通じておられること、そこから醸し出される優雅で知的な演奏に毎回聴きいってきました。
今回は日本デビュー20周年を記念してのリサイタル、特別なプログラムが用意されています。前半はショパン。後半はオーケストラの曲をピアノ一台で演奏、ダイナミックに編曲された3曲でした。最後の「モルダウ」は福間さんが自ら編曲されました。福間洸太朗さんのお名前の洸の字は水、きらきらした水を表していて、後半プログラムは水に因んでいるそうです。
リサイタルのタイトル「ストーリーズ」は(SNSに投稿するイメージなのですが)福間さんの20年の歩み、それぞれの曲に対する思いで作ったストーリーであり、聴衆の私たちもそれぞれ曲に持っている思いや出来事、ストーリーなのだと説明されました。
それで私も演奏を聴きながら、自分のストーリーに思いを巡らせていました。
福間さんのショパンは久しぶりで、『葬送』は初めて聴きました。星が見えるような美しい音色に感動、重々しいメロディーは進んでいく行進が遠くなっていくのが見えたようでした。福間さんはパリに留学したての頃に「(この曲は)まだ君には早いかな」と言われたそうですが。。
後半の水をモチーフにされたプログラムも素晴らしかったです。演奏前の曲説明が曲のイメージをより膨らませて、ドラマチックに繊細にと水が波打つところが浮かんできました。
福間さんがご自身で編曲された「モルダウ」は圧巻でした。2017年のコンサートの時に私も楽譜を購入させていただきました。一小節でも弾けたらなとう気持ちでしたが、未だに楽譜は飾ったままです><
ずっと以前にフルタイムの仕事を辞めた後、ピアノを習っていた時期がありました。初めてのピアノ発表会で弾いたのが「モルダウ」でした。2004年にチェコ、プラハを訪れた時の思い出の曲、憧れの曲でした。努力ができない私は2年足らずでピアノを止めてしまいましたが、福間さんの演奏を聴きながら、そんなことも有ったと思い出しました。
そして家に帰ってから、自分のスマホの着信音が「モルダウ」だったと気がつきました!本当に呆れてしまいます。
コンサートホールから神戸まで帰るのにJR東西線か阪神電車かを迷いましたが、阪神電車に乗りました。つい一週間前もここ福島駅から普通電車に乗りました。そしてその時にはどうしても思い出せなかった光景が突然見えたのです。淀川を渡る時に下水処理場の横に「ラサ」と円形の屋根に書かれた建物、スケートリンクが。1977年にその建物でコンサートがありました。今はラサスケートリンクは無くなり高層マンションが建っています。
福間さんの演奏を聴いて頭が活性化したのでしょうか。47年前の記憶が突然戻りました。
コンサートの後、福間さんのCD、本を購入した特典でサイン入りのポストカードを福間さんからいただきました。
「(20周年)おめでとうございます!」「いつもありがとうございます!」と言って握手をしていただきました。
実はこの日コンサートに行くかどうか直前まで迷っていました。日課にしていることで大事なことが出来なくなるのが躊躇われたからです。でも10年以上福間さんのコンサートにあちこち行かせていただいて、楽しく人生を豊かにしていただきました。お祝いとお礼に行かせていただこう、と最後はそう思い出かけることにしました。
福間さんの色々なエピソード、素晴らしい演奏を聴かせていただいて、お祝いをお伝えできました。「いつもありがとうございます」と自分の口が動いたことに驚きましたが、それは帰り道で見た奇跡への予感があったのかもしれません。
福間洸太朗さん、日本デビュー20周年おめでとうございます!
これからの益々のご活躍を楽しみにしています!
posted by jirokayo at 00:00|
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